PROJECT STORY1Project Story1 仕上課 石川

仕上課 石川 豊のプロジェクト

「仕上課」とは、自動車ボディーの金型を「仕上」「合せ」「組み合わせる」のが主な役目だ。
彼が現在所属している三島工場では、主に車のフェンダー部分の金型を扱っている。フェンダー部分と一口に言っても自動車メーカーが一つの部品を作るのに、カットしたり成形したりと、工程ごと、3~4、多い時には6型もの金型が必要となる。

金型を作る最初の工程は、機械によって、ほぼ設計部門で作った設計図どおりに作られるのだが、機械加工だけでは、まだまだ精密な金型とは言えない状態だ。
機械が一律に削り出した金型の表面には、細かな凹凸が全面にあり、そのままの状態でプレスしたら、デコボコでなめらかでない自動車ボディが出来上がってしまう。しかし、世の中にそんな新車がないのは、彼等の高い技術があるから。

ここはもう職人の世界だ。自分の目と手触りで、100分の1mmの狂いもないほどに削り、出来上がりはまるで鏡の様な輝きを放つ精巧さにまで仕上げる。上手い下手が一目で分かってしまう仕事だから、入社当初はとにかくよく練習したという。
石川アウター面を磨き石にて仕上げる。
(機械加工後の細かな凹凸を研磨する)

技術は国境を超えて。

仕上が完了したら、ユーザーチェックが入る。出来上がった金型をユーザー(自動車メーカーの金型担当者)が見に来るのだ。これでOKとなれば、磨き、サビ止めの塗装、梱包といった発送準備にかかる。何トンもある巨大な金型を国内、国外問わず発送するので、発送作業にも気を遣う。

納品後は、納品先の現地に赴き、実際に板をプレスして、耐久性や使い勝手も視野に入れながら外観調整する。不具合があれば、どの段階が問題なのかを検証し、改修する。より精巧な状態にプレスできれば、それだけハンドワーク(手作業)が減り、生産性が上がる。1分に何台生産できるかがカギを握る自動車メーカーの生命線を支えているのだ。
出張先は世界中だ。年に2回ほど、期間は1回につき約3カ月だ。
現地では、通訳を介してコミュニケーションを取るが、金型を扱う仕事をする同士として、自然に心が通じ合う。技術は国境を超えるのだ。
入社2年目で中国へ初めて海外出張した時には、仕事の仕方が日本と全く違うことに戸惑ったし、緊張と失敗の連続だった。そんな時、的確に指示してくれる先輩社員がとても頼もしく感じた。
インドに出張した時には、3か月という期限の中、50部品、100型以上もの金型の調整の為、毎日必死で溶接や研磨を行った。大変だったが、現地の担当者と深いつながりが出来たと思う。
海外出張は食事も人との交流も全て思い出深い。
いろいろな国に行き、現地の人と触れ合い、通じ合うことがとても勉強になるし、自信が付く。
石川プレス内にて調整

仕上課で大事なこととは。

仕上課の仕事は7・8割が段取りで決まる。段取りと優先順位を決めての作業が大切だ。
また、身につけなければならない知識や技術も多いが、それを乗り越えれば、この仕事の面白さが分かってくるはずだ。彼自身、「溶接なんて自分にはできない」と思っていたが、今では仕上の仕事の中で1番面白いと思えるほどなのだから。
この仕事は職人的要素があるから、モノづくりが好きな人に向いていると思う。そして、社員のみならず、国内・海外のユーザーたちと一緒に仕事をする場面が多いから、自分の意見がしっかり言えることも大事だ。
石川

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